冒険者達を巻き込み、人々を騒がせたWaldo。「また世話になる」と言い残した彼が、再びBritaniaを騒がせる事になります。 |
彼が動き出したのは、前回の騒動から二週間経ったある日の事です。 Town Crier:「Brigand campの様子がおかしい!」 Waldoの一味が住家にしているBrigand campでまた何かが始まったようです。 Town Crierはさらに続けます。 |
Town Crier:「Brigandと闇の商人が、良からぬ相談をしているようだ。」 魔物、冒険者を問わず多くの血を吸って真っ赤に染まったa bloody cutlassを持ち、すべての魔法を跳ね返す伝説のDragonの皮で作られたa reflect dragon tunicを着た彼は、今また何を探しているのでしょうか。 何はともあれ、状況確認です。私達は早速、騒動の中心地であるBrigand campへと向かいました。 |
Brigand campへ行ってみると、普段いないはずのアンデッドモンスターが道を埋め尽くすほどに大量発生していました。Mummy、Skeletal KnightにLich Lordと中級〜上級クラスのアンデッド達です。 これも恐らく、Waldoが何かを始めたから集まってきたのに違いありません。ほんとに、平気で大事を起こす人です……。 |
奥のテントに辿り着くと、そこには再びBarryが待っていました。 今回は攻撃的な姿勢も見せず、我々に対してかなり友好的のようです。 |
Midzz:「Hello.」 Barry:「Hello. 俺はWaldoの子分のBarryだぞ。」 Midzz:「Waldoはどうしました?」 Barry:「お頭は、商人のCarterと何やら相談していたぞ。」 Midzz:「Carter、ですか?」 Barry:「お頭の昔からの仲間。闇の商人だぞ。」 Midzz:「その、闇のShouninは今どこに?」 Barry:「Yewに向かうと言ってさっき出かけたぞ。」 Midzz:「ついさっきですね。なら、今から追えば会えるかもしれない。」 Midzz:「ところで、お頭はどんなSoudanをしていたんですか?」 Barry:「何やら、Shieldの話だったぞ。」 Midzz:「鎧の次はShieldですか……。すると、それも強い魔力を帯びているんでしょうか?」 Barry:「俺は良くわからないから、Carterに聞くといいぞ。」 |
近くで聞いていたのであろうBarry。その話し振りは、我々を味方だと見なした前回の騒動以降少し砕けてきたような気がします。 |
ふと後ろの机を見ると、その上にはWaldoの書いた日記が無造作に置かれていました。 Waldo's diary:『今日は楽勝だ! フハハハ!』 やけに自信ありげな様子です。 思い立ったら即実行という姿勢はいいのですが、思いとどまるという言葉を知らないような不安にもかられます。 |
ともあれ、Waldoは既に動き出しています。私達は、彼と闇の商人の行方を手分けして探す事にしました。 |
しかし、この時点で私達は一つの勘違いをしていたんです。それは、「Waldoが、闇の商人Carterと "Yewで" 相談をしたらしい。」と思い込んでいた事です……。 そして、Yewを中心とした捜索隊があちらこちらを奔走する事となってしまいました。 しばらくの間、さまざまな場所へ行った報告と、未だ行方不明の現状が知らされてきます。私自身も、何度もスタミナ切れを起こしながら至る所へ走り回りましたが、彼らの姿は見えません。 その間、Town Crierの連絡員も情報収集をしてくれていたようです。 |
今一度Brigand campへ戻ろうとRecallを唱えた時、IRCの情報チャンネルからの通報でTown Crierが場所を伝えていると聞き、ぎりぎりで撮影したものです。 Town Crier:「Brigand campからここまでの道に闇の商人が……。」 |
この苦労の発端が、IRCの情報チャンネルでの「Yewで商人と会うらしいという事です。」という私の発言である事はあまり知られていません。 ……反省してます。ごめんなさい(__;;;。 |
さて、懺悔はそのくらいで話を戻します。 Brigand campから街道をわずかに北上した辺りで、私達は闇の商人Carterに追い付く事ができました。 鉄兜に包まれた顔からは表情を窺い知る事はできませんが、その狭間に覗かせる目つきはあまり人を愉快にさせるものではなかった気がします。 |
Midzz:「Hello.」 Carter:「Hello. 私はCarterだ。何か用かね?フフフ……。」 Midzz:「あなたがCarterね。」 Carter:「普通では買えない不思議なItemを扱っている。フフフ……。」 Midzz:「闇のShouninのお勧めは何かしら?」 Carter:「今回はBone Shieldを紹介してやった。フフフ……。」 Midzz:(この男、何か含みがあるしゃべり方をする……。) Midzz:「あなた、Waldoの昔からの仲間なんですってね。」 Carter:「あいつは強いけど単純なヤツだな。フフフ……。」 Midzz:「Tanjunなヤツ?」 Carter:「今回は、あの単純さが命取りになるねぇ。フフフ……。」 Midzz:(命取り……。何か不安になってくる。) Midzz:「彼にShieldを紹介したんでしょう?」 Carter:「Shield? ああ、Bone Shieldの事かね? フフフ……。」 Midzz:「Bone製なの? それは確かに普通では買えない物ね。」 Carter:「Undead相手ならば楽勝だと粋がっていたが。フフフ……。」 Midzz:「それを持っているUndeadはどこなの?」 Carter:「Undeadのいるダンジョンと言えば。フフフ……。」 Midzz:「彼でさえもRakushouではないと言うの?」 Carter:「Barbatos様を相手に楽勝とは。フフフ……。」 Midzz:「Barbatos様ですって? あなたまさか……!」 Carter:「Waldoは、Barbatos様の掌で踊らされているねぇ。フフフ……。」 Midzz:(Waldoはこの男の罠にはめられたのかもしれない!) |
Carterを仲間だと信じ、言われるままに敵の渦中に飛び込んだWaldoが危ない! 私達は即座にその場を後にし、アンデッドが最も多く住み着いているダンジョンDeceitへ飛びました。 |
Bone Shieldと言うからにはSkeleton系のモンスターが持っているはず。そう予測を立て、Skeletal KnightやBone Magiなどの出現する個所をくまなく探す私達。 不信な個所があるとの通報が入ったのは、Level 1の奥まった場所にある通称「骨部屋」です。 |
その途中で見たのは、果てしない負の生命力に致死性の毒を持ち合わせ、冒険者達に最も嫌われるアンデッドRotting Corpseでした。 このモンスターは通常自然発生する事がありません。この先で何かが起こっているのは間違いないようです。 はやる心を押さえつつ、狭い通路を走り抜けます。 |
通路を抜けて部屋に踊り出た私達の目に、鈍い光沢のある皮鎧に身を包んだWaldoの姿が飛び込んできました。しかし、血気盛んな彼がなぜか台の上で微動だにしません。落ち着いてよく見ると、身体が鎧以上に青白い……。 なんとWaldoは全身を氷漬けにされていたのです! しかし、まだCarterとの相談が終わってから数刻しか経っていないはずです。魔力によって一瞬にして凍らされたのであれば、まだ間に合うかもしれません。 |
その時、死体の腐った匂いが漂うこの部屋に、突如として強烈な威圧感が出現しました。振り返った私達を見下ろすその巨大な影。ばっ、Barbatos! Carterを使ってWaldoを誘い込み、氷漬けにして弄ぶ悪魔。その邪悪な双眸で罠に掛かったBrigandをちらりと一瞥すると、うめくような声を発しました。 Barbatos:「Waldoモ バカナヤツヨ」 Barbatos:「ヘタニフクシュウナド カンガエネバヨカッタモノヲ・・・」 Barbatos:「マアイイ マタアソンデヤロウ」 そして集まってきた冒険者達を見渡すと、楽しむような目つきになり呟きをもらします。 Barbatos:「ミナゴロシダ」 |
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その瞬間、Barbatosの周りにBrigand campでも現れたアンデッドモンスター達がぞろりとSpawnしました。 例え歴戦の勇者でも、独り囲まれては助かりません。まるで蜘蛛の子を散らすように離れていきます。 Barbatos:「ニゲロニゲロ」 Barbatos:「オロカナニンゲンドモメ」 また、部屋の入り口付近ではRotting Corpseがしぶとくうろつきまわって攻撃の手を分散させています。 |
続いて不可解な冷気が部屋の奥から漂ってきます。 |
見ると、全身がその凍らされたWaldoのようなElemental、Chillerが現れています。 "凍らせし者"の名前からして、こいつがWaldoを凍結させた犯人でしょう。ならば、討伐して魔力を失わせれば……! 続々と詰め掛けてくる冒険者達が、一斉にChillerをターゲットします。 どうやらこのモンスター、冷気の力は強力であるものの戦闘には不向きだったようです。数限りなく飛んでくる強力な魔法の連打によってあっさりと倒れました。 |
するとやはり思った通り、Waldoの肌の色が見る見るうちに血の気を取り戻していきます。 |
Waldo:「はっ。俺はどうしたんだ?」 Waldo:「またヤツに……?」 身動きが取れるようになると、彼はすぐにしゃべりだしました。 Waldo:「あの化け物はどこに行った?」 Waldo:「部下どももすべてあの化け物に!? なんてこったい!」 そう言われて辺りを見回してみると、Barbatosの姿は影も形も見えなくなっていました。 Waldo:「こんな所でヤツに出会うとは。」 Waldo:「あの化け物め、なめやがって!」 そしてふと、私達の事に気付いたようです。 Waldo:「ん? どうしてお前らがここに?」 Waldo:「なんだ、俺の事が気になってきてくれたのか? フハハハハ。」 さっきまであんな状況にあったというのに、妙に陽気でハイテンションです。 Waldo:「そうかそうか、だんだん俺の事が好きになってきたか?」 Waldo:「まいったなぁ。フハハハハ。」 Waldo:*ぽっ* ぽっ、じゃなーい!(^^;;; 本当にこれが、ならず者達を仕切っている男でしょうか。さっきまで張り詰めていた空気が、急にへなへなと力を失っていくようです。 Waldo:「今日はあの化け物にやられたが、お前達が力を貸してくれるとは心強い!」 Waldo:「今度はあの野郎をギャフンと言わせてやるぜ!」 Waldo:「何があってもヘコまない。それがブリガンドだ。」 Waldo:*熱いヨ熱いヨ燃えてるヨ* ぷっ。あはははは(^^)。 思わず吹き出してしまいました。 なんだか、いらない心配をして損したようです。まったく、人騒がせな頭領です。 Waldo:「お前らにはまた借りができたな!」 スタッと軽快に台から降りると、部屋を少し歩き、振り向いてまた語り始めます。 Waldo:「Bone Shieldは見つからなかったが、変な宝箱を発見した。」 Waldo:「鍵が掛かっているので俺には開けられないが、」 Waldo:「腕の良いトレジャーハンターがいれば開けられるようだゾ。」 Waldo:*熱いヨ熱いヨ燃えてるヨ* この言葉、やけに気に入っているようです。緊張感なんてあったものじゃありませんが、その明るい性格と前向きな姿は、彼がBrigandであっても好感を抱かせるものです。 彼は床に木の箱を置くと、今度は出口の方に歩いていって振り向きます。 Waldo:「ガンバッテ開けてくれ。」 Waldo:「俺はブリガンドだから、手先は不器用だ。」 Waldo:「無言で不器用、」 Waldo:「それがブリガンドの生き様だ。」 なんて、自分が無口な方だと思っているんでしょうか? それは誰に聞いても疑われますよ、Waldo……。 Waldo:「では、助けてくれてありがとう。」 最後にそう付け加えると、またいずこかへ走り去っていきました。 |
さて、残されたのはWaldoが見つけたという「変な箱」です。鍵が掛かっていて開けられなかったという事で、鍵開けとトラップ除去ができる人を連れてくる事になりました。 そして難なくそれらが取り除かれたのですが……。 なぜでしょう。どうしても開きません。幾人もが箱を取り囲み、しきりにダブルクリックを繰り返すのですが、びくともしないんです。 シングルクリックすると、ちゃんと箱の中身が確認できます。これは鍵が掛かっていない証拠。……本当に「変」です。 結局、不良アイテムとしてGM Callをする事にしました。 「Waldoの残した箱が開きません」などとローマ字で入力、リクエストが受け付けられました。しかしその待ち人数は145人……。 |
待つ事約25分。最初の箱はいつのまにか消滅し、台のあった付近の人がいない場所に再び箱が登場しました。鍵と罠は外された状態のままのようです。 改めてダブルクリック。今度は難なく開きました。 箱の中には一枚の宝の地図と謎のメッセージが入っていました。 『地獄を見たければ、今日の3AMにこの地図を掘るのだ。』 文面からして、これは恐らくBarbatosが残したものでしょう。ヤツは私達がこの箱を開ける事を既に予想していたのでしょうか。 とにかく午前三時です。これがヤツの挑発なら、それを退けてこそ勝機が見えてくるというもの。 地図を入手したTKRのFATEさんの提案で、2:45にBritain第二銀行近くの噴水前に集合する事になりました。 |
その間に街へと戻り、再び装備を整え直します。 |
街では、事態の収束を伝える新しい情報が伝えられていました。 Town Crier:「BrigandはDeceitで姿を消したようだ。」 その言葉の中に、Barbatosの名前は出てきません。Waldoと直接話をしていない人々にとっては、一介のBrigandが巻き起こす騒動の一つと捉えられているのかもしれません。 |
Town Crier:「今後も注意が必要と思われる!」 神出鬼没なBrigand達ですが、再び現れる事は確実です。私達にとってみても、危険な悪魔Barbatosをそのままのさばらせておくにはいきませんから……。 |
まだ三時までは時間があります。私はBrigand campの様子を見に行く事にしました。 |
Brigand達はどこかに行ってしまったようですが、その場に残された日記の新しいページにこんな事が書かれていました。 Waldo's diary:「Barbatos! いつかお前を倒す!」 共に連れて行った部下も巻き添えに、すっかりこてんぱんにされたくせに懲りない人です。 その辺が彼の長所であり、部下を従わせるカリスマ性なのかもしれませんね。 |
集合時間2:45になり、Britainの噴水前広場に集まった人達をGateで目的地まで送迎してもらいます。 トレハンポイントはHythloth島にあるDaemon Templeのやや北東。南国風の木々が立ち並ぶ小さな森の一角です。 「地獄を見たければ」の言葉から、幻のLv6の宝だろうと期待されます。しかも時間指定までされて、まるで発売解禁時間を店頭で待つ消費者の雰囲気です。全員の時計の針が同じ時刻を指しておらず、やや混乱する場面もありました。 |
そして2:59。カウントダウンの声がどこからか聞こえてくる中、ザクッザクッと発掘が始まります。掘り出された瞬間出現したのは……。 |
出ました! Poison ElementalにBlood Elemental、イベント時限定モンスターのAcid Elementalに地上最強の生物Encient Wyrm! 待ってましたとばかりに総攻撃が始まります。どのGuardianも近寄られたらひとたまりもありませんが、人垣と木々の壁で動きが鈍くなっています。一体、また一体とあっという間に討伐されていきます。 |
二度も発生したOpening Spawnも収まり、ぞろぞろと箱の鍵が開くのを待つ人だかりが生まれます。 カラッコロッ。鍵が開けられました。その瞬間Bomb! 気を急いた誰かが、不幸にも罠に気が付かずに開けてしまったようです。 罠の解除を確認した直後、まず開けて撮影します。鑑定してみないとわかりませんが、ごくごく普通の宝です。 そして、大勢の手がいっぺんに伸びてきて、見る間にアイテムが消えていきます。私も取ろうとしたものの、手を出した物すべてが誰かとかち合ってしまい、入手する事はできませんでした。 |
当然、一度にアイテムを取り去った事で大量にGuardianが出現します。Poison Elementalに、Daemon、Silver SerpentやらElder Gazerやらが続々とSpawnしてきます。 |
そんな中、ただのGuardianであるBalronかと思われたこの黒い悪魔にふと目が行きます。名前をよくよく確認してみると、なんとBarbatos Shadowです! これが、箱に残されていたメッセージの真の意味だったようです。Barbatosは、自らの影を作り出してその実力差を見せつけようとしたのです。 |
しかし、ここでひるむわけにはいきません。相手はただの本体の影に過ぎないのです。むしろこっちの実力を見せつける時と言えるでしょう。 ただ、影とはいえやはりBarbatosの力は強大です。一撃40以上の攻撃力を持ち、しかもHighest Dex Fencerの倍以上の速さでその攻撃が繰り出されてきます。 魔法による攻撃も有効ですが、いくら浴びせてもかすり傷のようにしか見えません。ようやく動きが鈍くなってきたと思うと、こいつもです! 一瞬姿を消したかと思うとまた大幅に体力が復元しているんです。 |
幽霊も続出し、ヒーラーが人手不足気味でいい加減消耗戦に入ってきた頃、Barbatos Shadowが回復をしなくなりました。イヤ、できなくなったのでしょう。 随分と振り回されながらも、ようやっとこの化け物を地に伏す事ができました。Shadowと本体に大きな性能差がない事を強く期待したいところです。 棺おけを開いてみましたが、これといって特別なものはなさそうです。やはり実力誇示の意味合いだったのでしょう。その自信が憎たらしいヤツです。 |
その後、いくらか奇妙な編隊のGuardianが出て、ようやく動きがなくなりました。 この宝は、Barbatosの企てた余興に過ぎませんでした。しかし放っておけば、いつ街が恐怖にさらされるかもわかりません。 最初はWaldoの個人的な復讐だったものの、これはもう冒険者として見過ごすわけにはいかないでしょう。今度はこちらから打って出る番です! Waldo達と足並みを揃え、史上初の冒険者とBrigandとの共同戦線を設立させましょう! |