良い話を聞き出したというBrigandの頭Waldo。先日自らが予告した金曜日の深夜0時を過ぎた頃、Skara Braeで号外が出たとの報告がありました。しかしその内容は予告とは大きく食い違ったものでした。 |
Town Crier:「勇者CarterがBrigand Campを壊滅した!」 一瞬わが耳を疑いました。勇者? 壊滅? そしてそれはさらに現実味を持った情報によって信じる事を余儀なくされました。 |
Town Crier:「もうすぐBrigandの公開処刑が始まるそうだ!」 推測するに、良い話があるとそれだけを聞かされたWaldoがまんまと罠にはまってしまったという事でしょう。 まごまごしている暇はありません。このままではまさにBarbatosの思う壺です。私達は急いでBrigand Campに向かいました。 |
キャンプには、高座に悠然と座るLord Carterと処刑台の前に捕えられているBarryの姿がありました。傍らには、監視と思しきSkeleton Knightが一体ずつ配置されています。Carterの前に付き従うようにしているのもBrigandの一人ではないでしょうか。 その中にWaldoの姿はありません。既に殺されたあと……。イヤ、それならば見世物にされているはずです。逃げてしまったのか、それとも別の策があるのか。 とにかく状況を確認しなくてはなりません。キーパーソンの話を聞けるだけ聞いてみました。 |
Midzz:「Hello. また会いましたね。」 Lord Carter:「Hello. 私は勇者Carterだ。公開処刑はいかがかね? ふふふ……。」 Midzz:「闇商人Carterも出世したものですね。」 Lord Carter:「Brigand砦を壊滅させた英雄だよ。ふふふ……。」 Midzz:「Waldoはどうしたのですか?」 Lord Carter:「尻尾を巻いて逃げて行ったねぇ。ふふふ……。」 Midzz:「彼がNigete行ったと……?」 Lord Carter:「まあ、さすがのあいつも今度ばかりは子分を見捨てたねぇ。ふふふ……。」 Midzz:(仲間だった人間を陥れておいて……!) Midzz:「これも、あなたの崇拝するBarbatosがためなのね。」 Lord Carter:「偉大なるBarbatos様に乾杯!」 我が思い通りを満喫しているCarter。それにしても、Waldoが逃げたなんてとても信じられません。単細胞だけど、その分情には厚い人柄を今までに何度も見てきています。でも一体どこに行ったというのでしょうか……。 Midzz:「Hello.」 Lee:「Hello. 俺はCarter派のBrigandだ!!」 Midzz:「Carterに鞍替えしたのね。」 Lee:「Carter様は真の英雄だ! 俺達はCarter様について行くぜ!」 Midzz:「Waldoの子分だったのではないの?」 Lee:「ああ、昔はそういう名前の男の下にいた事もあったな。」 Midzz:「仲間だったBarryは見捨ててしまうのね……。」 Lee:「時代が読めないヤツは長生きできないねぇ。ふふふ……。」 新しい時代の風に素早く乗り換える利口な人物と言えるかもしれませんが、仲間を大切にするWaldo一味にあらざるべき裏切り行為です。それとも、これがBrigandとして生きる者達の住む世界なのでしょうか。 Midzz:「Hello.」 Barry:「Hello. 俺はWaldoの子分のBarryだぞ。」 Midzz:「Waldoは?」 Barry:「お頭は絶対に助けに来てくれるぞ。」 Midzz:「そのOkashiraは一体どこにいるの?」 Barry:「きっと、助っ人を呼びに行ってるぞ。」 Midzz:「Suketto?」 Barry:「お頭と仲が良くて腕っ節が強いのは、Ogreの大将だぞ。」 Midzz:「OgreのTaishouって言えば……。」 Barry:「Wrongの大将だぞ……。大将ならばCarterなんかいちころだぞ。」 Midzz:「Carterはあなた達の信用を踏みにじって、すっかり勇者気取りじゃない。」 Barry:「お頭の昔からの仲間だと思って、油断していたぞ。」 Midzz:「Yudan?」 Barry:「お頭を誘き出して、その隙にUndeadが……。」 Midzz:「また、Undead……。」 Barry:「CarterがUndeadをこの砦に入れたんだぞ。あれには参ったぞ。」 子分達の多くはきっと、同じように油断していたのでしょう。前回の騒動だけでは気が付かなかったのでしょうか……。 人がいいと言うか単純と言うか。それは、断頭台に立たされてまでも頭領を信用するその姿勢が表していると言えるでしょう。 Midzz:「Hello.」 Kwan Li:「Hello. 私はWaldoの仲間の魔法使いKwan Liだ。」 Midzz:「あなたはWaldoを見捨てていないのね。」 Kwan Li:「あいつはいいヤツだった。あいつと一緒に無茶した日が思い出される。」 Midzz:「Mucha?」 Kwan Li:「世間からはならず者呼ばわりされたが、俺達は仁義は守っていたんだ。」 Midzz:「Brigandにも守るべきルールはあるのね。」 Midzz:「でも、なんでShokeiされる身になんか……。」 Kwan Li:「これはCarterが仕組んだ罠だ。Waldoを誘き出す罠だ!」 Midzz:「仕組まれたWana……。」 Kwan Li:「Waldoの事だから助けに来てくれるだろう……。しかし……。」 Midzz:「Ogreの大将を連れて来るはずでしょう?」 Kwan Li:「WaldoとOgre Lordでは魔法ができないから、ここに着くまでに時間が……。」 Midzz:「そんな悠長な話なの!?」 魔法の使えないWaldoがWrongまで行って戻ってくるのには、一体どれだけかかるというのでしょう。こっちは今にも処刑が始まろうというのに……。 もう私達が連れ帰ってくるしかありません。時は一刻を争います! |
WrongにRecallすると、入り口のすぐ先にOgre Lordを引き連れたWaldoが佇んでいました。 Waldo:「あのCarterは、今までのCarterとは違うぞ!」 Waldo:「早く帰ってやつの目をさましてやらなければ!」 Waldo:「ということで、足の遅い大将と魔法の出来ない俺では…。」 そこで一旦言葉を切ると、集まってきた冒険者達を見渡してこう続けました。 Waldo:「おや、貴様は魔法が得意そうだな。」 Waldo:*ちら* Waldo:「で、モノは相談だが・・・、ブリガンドキャンプまでゲートを出してくれ!」 どうやら最初から私達をあてにしていたようです。すかさずGateの魔法を唱えるRena。どうか間に合って! Waldo:「よし、行くぞ!大将!」 |
砦に雪崩れ込む私達。Barryは? Liは!? |
かすかな望みを抱いて処刑台を見た私達の前に現れたのは、変わり果てた姿のBrigand達でした。処刑されてしまってもなお、必ず助けに来ると信じたWaldoを待ち続けていたのでしょう。 Waldo:「Barry!」 Waldo:「俺みたいなダメなやつのために、こんな姿に!」 そこにまたもアンデッドの一団が出現します。これもCarterの差し金でしょう。 Waldo:「ちくしょう、皆殺しだ!」 怒りに腕を震わせたWaldoは、手近なアンデッドを片っ端から攻撃していきます。 その内一体を壁際まで追い詰め、 Waldo:「必殺!ローリングスラッシャーブロウッ!」 閃光一閃。一撃で屠りました。 その時、Carterのいた高座の方で誰かの悲鳴が上がります。振り向いた私達が見たのは……。 |
Fake Carter なんという事でしょう……。裏切り者だと思われていたCarterはBarbatosの作り出した偽者だったのです。 Brigandの一味も壊滅させ、偽者も不要になったのでしょうか。高名な魔術師の死霊、Lich Lordの正体を現して殺戮を繰り広げます。 Waldo:「う、Carterが!」 CarterはBarbatosにたぶらかされていたのだと思い込んでいたWaldoも、その様を見て信じざるを得なくなったのかもしれません。 そして血染めの剣a bloody cutlassを構え直し、 Waldo:「必殺!ローリングスラッシャーブロウッ!」 Fake Carterに振り下ろしました。 |
静かになった砦の中、Waldoが再び口を開きました。 Waldo:「ニセカーターの死体から妙な石が出てきた。」 見た目はMoon Stoneとそっくりのよう。よくわからぬままに地面に埋めてみると……。 |
Waldo:「おお、なんだこれは!」 赤く輝く謎のGateが開きました。不審に思う私達を背に、迷う事無く飛び込むWaldo。 でもこれはCarterの偽者が握っていた唯一の鍵です。警戒しつつも、後を追って入ってみました。 |
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Gateの出口は、CovetousのLich部屋よりさらに奥に位置する牢獄の手前に繋がっていました。その突き当たりには、拷問部屋と呼ばれる悪霊の溜まり場があります。 数多くの死者の呼び声をよそに、無言のまま奥へ奥へと進んで行きます。 |
Waldo:「この兜は…。」 部屋に辿り付いたWaldoが何かを見つけたようです。 Waldo:「なんてこったい!!」 それは、Carterがいつも愛用していたBacinetでした。壁にはもう動かない彼の死体が……。 Waldo:*滝のような涙* Waldo:「BarryもKwan Liも、Carterまでも…。」 悲しみに打ちひしがれた彼の前に、無念を背負った死霊のCarterが姿を見せました。どうしても告げたい事があったのでしょう。 Rena:「Waldoはここよ、Carter。」 Carter:「見てくれ、こんなになっちまったぜ! おいらももうダメだな……。」 Rena:「Barbatosにやられたのね。」 Carter:「あいつには気をつけろ……。あいつの狙いはさらなるパワーとの融合だ!」 Rena:「さらなるパワーとのYuugouですって?」 Carter:「この土地にわずかながら生えている緑のパワーの元、太陽の力……。」 Rena:「太陽のChikara……。」 Carter:「Waldo、Barbatosを倒せ!! お前からすべてを奪ったBarbatosを……。」 その言葉を受け、Waldoは力強く応えます。 Waldo:「おお、倒すとも。まかせろ。」 Waldo:「何やら難しい事を言っているが、要するに奴を倒せという事だよな。」 Waldo:*熱いヨ熱いヨ燃えてるヨ* ……あまりわかっていないようなのが不安ですが。 |
Waldo:「さて、Carterの霊が最後に言い残した事が気になる。」 悲劇に酔って真実を見失うのは得策ではありません。それは良くわかっているようです。 Waldo:「もう俺には仲間と呼べるのはお前達だけだ。」 Waldo:「俺はとりあえず砦に戻る。」 Waldo:「おまえらも、Carterの言う事をよく聞いてみてくれ。」 Waldo:「では、砦であおう。」 はっきりとした声でそう告げると、Waldoは走り去って行きました。 |
後を追って砦に飛んだ私達。すると、何やら砦の奥の方でごそごそとやっています。 Waldo:「壁際を空けてくれないか。」 いつになく静かな口調です。 言われるままに、集まっていた人垣の輪が少し広げられます。 Waldo:「すまん。」 |
沈痛な面持ちで彼が作っていた物は、なんと墓標でした。 そこに刻まれた名前は、処刑されたBarryとKwan Li、拷問部屋で非業の死を遂げたCarter、最後の一つは……Waldoです。 Waldo:「俺の命、もはやない。」 自らの命を投げ打って、Barbatosと刺し違えるつもりです。もう昔の個人的な復讐では済みません。前回乗り込んで行った時にやられた部下達の命、処刑された者達の寄せた信頼、企みに利用された者の念。これは弔いの闘いなのです。 この時、かけられる言葉を見つけた人は誰一人としていませんでした。 |
Waldo:「まて、何か聞こえないか?」 沈黙した砦。しかし、そんな気持ちを踏みにじるように、ヤツは現れました。 Waldo:「あああ、まずいぞ、」 Waldo:「来るぞ、何か来るぞ!」 Waldo:「Carterの偽者だけでは終らなかったのか。」 |
一瞬のうちに数人の命が奪われました。 その姿は、ぱっと見ただけでははっきりと認知できなかったでしょう。名はBarbatos Soul、悪魔の魂です。 |
これだけの人数の渦中にあっても、留まる事を知らないBarbatos Soul。攻撃の手と蘇生の手とが二分されます。 幸いだったのは、その激しい攻撃性とは裏腹に生命力に乏しかった事です。幾多の炎の洗礼を受け、音もなくヤツは倒れました。 駆け寄る冒険者達。しかしその死骸には、手がかりになるものは何も残されていなかったようです。 |
再び静けさを取り戻したBrigand Camp。そんな中でWaldoは、一人処刑台を憎々しげに見つめていました。 |
私達がその周りに集まってくると、一旦周りを見渡して Waldo:「いくぜ。」 Waldo:「とりあえずこの忌々しいギロチンを……!」 そう言って向き直り、構えをとって一撃。断頭台を砕き割りました。 |
Waldo:「ふぅ。」 Waldo:「これでもう、俺には仲間と呼べるのはお前達だけだ。」 Waldo:「お前たちが力を貸してくれなければ、俺は一人でやつと戦う。」 Waldo:「では、もし気が向いたら力を貸してくれ。」 Waldo:「また会おう! フハハハハ」 最後に堅い誓いを口にして、奥のテントへと引き上げていきました。高笑いを残していった彼の心の内は、果たしてその通りだったでしょうか。 |
やり切れない思いを抱えて街に戻ると、情報屋が叫んでいました。 Town Crier:「公開処刑は終了した!」 ええ、終了しましたとも。ヤツの思惑通りに。 |
Town Crier:「しかし、なぜか英雄Carterも姿を消した!」 でもその英雄とは、ヤツの作り出した偽者の事なんですよ。私は心の中でそう付け足しました。 |
Barbatosはなぜ、なんの因果でWaldoを追い詰めるのでしょう。個人的な復讐……。過去に何があったというの? 更なる力、太陽の力との融合。わずかに残った緑。太陽……。砂漠? オアシス? うーん、わからない……。 気持ちの整理がつかなくなり、街の喧騒の中にいられなくなって、私は家に帰りました。 Britainの西に居を構えた山賊の頭が救われる日は、いつか訪れるのでしょうか……。 |