3DダンジョンRPG制作ツール Desigeon in Kuma's Page

Desigeonに登場する壁

ドアのサンプル 壁の紹介。ワイヤーフレーム3D迷路ゲームの基本ですな。

 DesigeonではコストのかかるCG処理を極力省き、ひたすらOSのライン命令だけで背景を描いております。

 しかし、たかがワイヤーフレームのカベと侮るなかれ。Desigeonの壁は意外に遊べるのだ。外見はショボイが……。

 ……いや実は、v1.03で新しく作った壁が妙に自分の中でヒットしてしまったために作ったんですけどねこのページ。常人であれば、なぁんだ、たいしたことはないな、と思うはずです……。Desigeonの場合グラフィックの綺麗さに感動するんじゃなくて、シンプルな世界の中にチョット楽しめるレシピを盛り込めたときに喜びを感じるのです。……うへ、私だけですか……。

基本的な壁

 それでまず、Wizardryにもあったような基本的な壁やドアに関しても説明しようかと思ったのですが、これは大丈夫だと思います。一応簡単に確認しておくと、Wizardry#1〜3には以下の壁があったと記憶しています。

 基本的にWizardryでは、目の前が可視状態にある通路は必ず通れます。ただWizの場合、ドアなり通路なりを通ったあとで振り向くと逃げ道が遮られていた、という事態にハマる点がツボでして、それもDesigeonでは使えるようにしてあります。Desigeonも、上記のリストにあるものから実装し、メインになっています。

隠しドアについて

 Desigeonの隠しドアは、マップ編集時にエリアを定義することで設置します。具体的な方法は、いずれ作成するマニュアルに記載します。

 隠しドアは、ドア側に発見するための難易度を、PC側に発見するための技能(アクション)を用意して、判定に成功しなければ発見できないようになっています。これは Wiz#5 で似たような形の機能がありました。Desigeonの場合は、一度判定に失敗すると、レベルが上がるか、関連能力値が上昇するまで判定できません。ちなみに呪文で能力値を上昇させて再挑戦してもダメです。この機能は、アクションの設定によってオフにできるようになっています。

鍵について

 Desigeonでは通常のドアに鍵をかける機能があります。これも隠しドアと同様エリアを定義することで設置しますが、鍵つきの扉はエリア編集の前に鍵そのものの定義、つまり鍵の名前と鍵開けの条件設定が別途必要になります。

 鍵は、鍵開けの難易度と技能を用意して使いますが、単に鍵アイテムを用意するという方法もあります。鍵アイテムはグループ指定のため(複数のアイテムを指定できる)、冒険の初期に「金の鍵」「銀の鍵」を使い分けながら迷路を奥に進むような場合でも、最終的にマスターキーを与えることで、たくさんの鍵を持ち歩かなくて済むようになっています。(あ、でもアイテム一種を鍵アイテムに指定できる追加があってもいいかな…メモリ消費量たいしたことないし)

 また、鍵アイテムがスタックアイテムもしくは回数制のアイテムの場合、鍵開けのたびに個数もしくは使用回数を一つ消費します(2005.1.3記. 回数制アイテムの場合、消耗しない仕組みです)。これは初代ドラゴンクエストに出てきた「まほうのかぎ」と同じです。

追加された壁の種類

 v1.03で壁の種類を追加してみました。

 まず、透明壁を作ってみました。

透明壁の例

 なんのことはない、壁を描画しない状態で通せんぼしているだけです。

 使い道はいくつか考えられますが、基本的に透明壁はプレイヤーをイジめるための仕組みです。遠目に見て、あそこ通れるな…と思って近づくと、思わぬ障害として立ちはだかるわけです。ぐはっ、やられたぜ!って感じで。

 でも、これを多用すると理不尽なイメージが強くなってプレイヤーがキレるかもしれません。ただでさえ視界の狭いこの手のゲームで、“壁がないのに通れない”という状況を強制されると、納得のいく説明が欲しくなるものです。

 制作者が「この奥の景色を見られるようにしたい。だけど、前に進ませたくない」というときに使う壁としては、あまり使いすぎたくありません。ですので、奥に進みたいけど行けない、歯がゆい!という状態を低ストレスで作り出すために、ちょっと考えてみました。

 それで結局、こんな壁の形を実装してみました。

 その名も「柵」!!

柵で構成した景色

 いやホント、ただ単に網にしただけなのに……従来の迷路ゲームのイメージがガラリと変わります。部屋を柵で囲うとなんだかオリみたいですが、迷路内にメリハリがついて楽しそうだなと感じました。ちなみに、ヒントはDIABLOのCaveエリアから得ました。

 画像の中で、鳥居みたいな少し背の高くなっている柵は、見た目が柵バージョンになっているドアです。通常のドアと同じ機能があり、一方通行や鍵・罠を付ける機能があります。

 柵の利用により、一気に迷路内の可視性が高まります。同じ場所を、通常の壁とドアで構成すると以下の景色になります。

通常の壁と扉で構成した景色

 いやーもう、雰囲気が全然違いますね。閉塞的な空間にしたいか、開放的な空間にしたいかで使い分けるのが良いと思います。

 角度や背景色によっては、ゴチャゴチャして見づらいことがよくありますが、そこまで対策するとだいぶコストがかかるので放置してあります。地面に壁と異なる色を塗っておくと、背景と柵の区別がしやすいようです。

柵で構成した部屋の中から見た景色

 これで柵の奥に宝箱を置く機能があったら……、ドラクエなんかでよく見かけた「扉が開かん!鍵をゲットしたらまた来てやる。おぼえてやがれ!」な状態を作り出せるのですが、残念ながらまだ床上にCGを配置する機能はありません。

 床の上にCGを配置する機能はKSDungeonで実装したことがあるので可能は可能なのですが、アレをやるととんでもなくアプリが重くなるのです。何しろ、線や文字ばかりでなく、画像についても拡大縮小用の処理をかけなければなりません。

 そんなわけで、私が妙に気に入った柵の話でありました……。


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熊恭太郎