2000/07/18(Tue)
今回は私自身の挑戦です。他人のベンチマーク結果と比較してみて発覚した、私のHDDの遅さが事の発端でした。
Seagate製で20GB, 7200rpmのHDDを使っているくせに、M/BのDMAコントローラーが非常に性能が悪いようで、Ultra ATA/66の一般的な値と比較するとなんと1/3の速度でしか動いていないようなのです。
そこで購入したのがPromise Technology, Inc.のFastTrak66というRAIDカード。これはRAIDの0と1、StripingとMirroringができます。中古のお値段は\5,800でした。
(※)ちなみにStripingとは「2台のHDDを繋げて1台と見なし、データを細切れにして同時書き込みする事で高速化する」ようなヤツ。でMirroringとは「2台のHDDを繋げて1台と見なし、両方に同じデータを書き込んで安全性を高める」ようなヤツです。詳しくはわかりません(^^;。
今使っているHDDと同型の物を一台購入して、Stripingによる高速化を目指します。
また、最近Windows 2000を入手したので、「どうせならクリーンインストールしてやろうじゃないか」と意気込んでみます。
まずはデータのバックアップです。これはネットワーク上のファイルサーバーに大量にコピーしまくる事で解決しました。ゲームのセーブデータや設定ファイルをコピーするのも忘れていません。
さて次はRAIDカードでHDDを認識させます。
M/Bにカードを挿して、二台のHDDを付属のケーブルで繋げます。
そしてマシンを起動。最初はHDDにRAID情報が登録されていないので、RAIDカードのBIOS画面を起動してStripingである事を教えてあげます。
ところが、この辺から雲行きが怪しくなってきたんです。
まずCDで起動したWindows2000が、HDDが接続されていないと言い始めます。RAIDのドライブを見つけられないようです。起動直後に「他社のRAIDカードを使っているならF6を押すように」と書いてあったので、それに従ってフロッピーからドライバを読ませます。が、それでも同じメッセージ。FastTrak66を見つけて組み込む手順も踏んだのに……。
この時、Stripingの情報は書き込んだけど一つのドライブとして初期化し直していないと気付き、Windows98の起動ディスクでFDiskをかける事にしました。
しかしまたトラブル。CD-ROMやSCSIの各社のドライバを順に組み込んでいく作業中、なぜか必ずフリーズ。どうやらRAIDカードと他のPCIボードが衝突している様子。I/Oアドレスは見たところ重なっていないので、この症状は未だ原因不明です。
仕方なくサウンドカードとSCSIカードを外して再試行。とりあえずどうにかクリア。FDiskをかけ、ついでにFAT32でフォーマットもかけて再びWindows2000のCDで起動します。……でも見つからない。
ふと、かなめが言っていた「Windows2000のクリーンインストールはうまく行かない」という言葉を思い出し、急遽Windows98のインストールを開始します。上書きインストールなら問題なく動くとの話でした。
インストール中に固まったり、ドライバのインストールに失敗したりを何度も繰り返し、気が付けばもう丸一日使っていました。
2000/07/19(Wed)
ようやく落ち着いたところで改めて、Windows98上からWindows2000のインストールを敢行。「NTFSに変換しますか?」もちろん。「アップグレードパックはお持ちですか?」知りません(^^;。あとでね。「75分〜90分かかります」うわ。「4回再起動します」なるほど。親切になったな〜。
さあ、じゃ頑張ってちょうだい。そして一回目の再起動です。OS起動のタイミングで、おなじみのメニューが登場しました。Windows2000セットアップと、Windows98を起動の二つです。当然セットアップを選択します。
う、なんか見覚えのある画面。Windows2000のCDから起動した画面にそっくりです。HDDから読んでいるから極端に速いけど……。
ドライバのロードが高速で終わり、画面が一度真っ暗になります。そして出てきたのは無情なメッセージ。
「HDDが接続されていません」
はぁ……。思わずため息が漏れます。
OSが入れられなければUOもできないし、買ったばかりのDiablo2も入れる事すらできません。
それでも、まだ一つは試す事ができます。Windows NTのWorkstationが家にあったんです。Windows98からの上書きインストールではなく、WindowsNTからのアップグレードならまだ望みがあるかもしれない……。
しかし! WindowsNTのインストールでまで再びあいまみえたこのメッセージ。
「HDDが接続されていません」「セットアップを続行できません」「F3を押して終了してください」
他に何かできるわけじゃなく、ほんとに終了しかないとは……。
もうこうなったら強行策です。余っている10GBのHDDにWindows2000を入れ、アクセサリのバックアップユーティリティでドライブ全体をバックアップ。しかるのちにRAIDのドライブにリストア! そして一時的な10GBのドライブを外してRAIDのドライブで再起動!
これはちょっとうまくいきそうな予感です。当たり前ですが、内蔵のIDEに繋げた10GBのHDDだとあっさり認識、すんなりインストールが進んでいきます。途中、USBキーボードが利かなくてプロダクトキーが入力できないという情けない問題が発生しましたが、こんな時のために取っておいたPS/2の埃をかぶったキーボードが助けてくれました。
なのになぜ! 途中からデータ転送にエラーが多くなり、インストールに失敗してまた最初からやり直したところ、GUIの画面すら拝めなくなっちゃいました(>_<;。どんなに再試行してもエラーのまま。CD-ROMドライブを入れ替えてみても症状は改善されず……。RAIDカードどころかPCIスロットには一本も刺さっていないというのに(T-T)。
さらにさらに痛恨の追い討ち! 大失態です。IDEのケーブルを逆差ししてしまったらしく、10GBのHDDがまったく動かなくなりました……。
もう仕方がないので1GBのふるーいHDDで代用です……。あああぁぁ、ついに壊したぁぁ(T^T)。
いつまでも嘆いていても仕方がありません。ここは開き直ってできる事をやるまで。
という事でWindows2000のインストール完了! ……ってあっさり進み過ぎかも(^^;。でも実際動くようになったんです。1GBのIDEのHDDでは。
データの転送エラーが多かったのは、どうもインストール以前から蓄積されてきたHDDの疲労が表れた結果なのではないかという事に収まりました。もしかしたら今までにも逆差ししてたのかもしれないし……。
さて、改めて電源を落としてFastTrak66を挿してみます。ドライバはどうせ入れ直しだろうから幾度かの再起動は覚悟の上です。その面倒な作業中に、ノートでドライバを拾ってきます。
2000/07/20(Thu)
しかし、どうしてもドライバが機能しません。<!>マークがどうしても消えないんです。PCIのポートを変えてみてもダメ。
だいぶ諦めの感情が色濃くなってきた頃、かなめと電話をしている時にある失敗を指摘されました。「それ、ドライバ違うよ」
よくよく見ると「Promise 〜〜〜 Ultra66 〜〜〜(NT2000)」と書いてあり、FastTrakの文字がありません。なんとこれはただのPCI用IDEボードのドライバで、RAIDカードのドライバではありません! それをすんなりインストールしたと報告するWindows2000は何者!?(責任転嫁(^^;)
改めて発売元や開発元のページを見に行ったら、なんだかわかりにくい場所に確かに置いてありました。しかもLatest InfoのページよりもTech Supportのページにあるドライバの方が新しいという。カーソルでポイントしてみないと何が書いてあるかわからないページは、やはりAccessibilityが低いと言わざるを得ませんね。ほんとにもう。
ドライバファイルを自動検索させたらWin95&98用のドライバを入れるというジョークをかましてくれたWindows2000に、三日目にしてようやく正常に認識されました。いやぁ〜、ん長かったぁ!
ドライバを探しに行った際、ついでながらなんと「FastTrak66を利用してWindows2000をインストール」という記事を見つけました。そのままずばりの状況です。
「です・ます」調と「だ・である」調が混在した読み難いドキュメントながら、「Ultra66の文字列を含む行を削除する」などと書いてあるのでかなり期待できそうです。早速IDEの1GB HDDを外してまっさらなStripingドライブにインストールを試みます。
どうやらインストールすべきファイルを一時的にHDDに転送するようです。その後、インストール中に誤認されてしまうUltra66の記述を削除して再起動すればインストールが続行されるという話です。
ついにと言うかやっとと言うか、このドキュメントのお陰で無事にWindows2000をインストールする事ができました(T-T)g。
2000/07/21(Fri)
やっとGUI環境が動くようになった今回の騒動。もう少しだけ先があります。そう、デバイスドライバの問題です。
ビデオカードはSPECTRA 5400 PEで、Canopusのサイトに行ってみたらしっかり用意されていました。いい仕事してます。サウンドカードはSound Blaster Live! Value。こちらもCreative MediaのサイトにはWindows2000対応ドライバがありました。さすが、大手は違いますね。
ところが、ここで困ったのがネットワークカード。私の持っているEthernetカードENW-9501-FはなんとWindows2000のサポートが打ち切られているようなのです。
以前、友人Kubotoro氏に余剰のEthernetカードを譲り渡したのを思い出して朝っぱらから電話で呼びつけた(近所なんです)のですが、対応していると思い込んでいたのは見間違いで、Planexのサイトにある対応製品一覧表にはFNW-9601-Tは記載されていませんでした。
さらに、兄のえるの部屋に余っていたFNW-9700-Tはしっかり対応しているもののカード自体がどこか壊れている様子。
もうこれ以上時間をかけたくないので、昼間の用事が終わったあと夕方頃から買い物に出かけてしまいました。ついでにかなめと会って細かい用事を済ませます。
結局FNW-9700-Tを新しく購入し、この日はそれで時間切れ。家に着いて食事をし、部屋に行ったらパタンと寝てしまいました。
2000/07/22(Sat)
ドライバを入れて認識しても音が正常に鳴っていなかったSBLive!も、PCIのスロットを一つ上に変更したらなんとか鳴るようになり、後はネットワーク環境が最後の関門となりました。
FNW-9700-Tのドライバは既に入ってるので、スロットに挿してゴー! おお、見える!
が、ちょっとでもアクセスが頻繁になってくるとネットワークから切断されてしまいます。主にWindows2000 Serverのファイルサーバーを利用しているのですが、どうやら自らアクセスをしに行く時だけ落ちるようです。
試しにノートパソコンからの指示でサーバーから自分のマシンへとデータを転送してみます。これなら1GBの転送でも余裕みたいです。イヤもちろん時間はかかるけど……。
しかしその間、Windows2000がファイル操作なりなんなりに気を取られるとまたすぐネットワークが切れてしまいます。IRQをビデオカードと共有しているのが原因なのか、それともWindows2000のユーザー管理の問題なのか。どちらにせよ早いうちに解決したいものです。何しろ今は、Windows2000のマシンとサーバーとのファイル転送をするためにわざわざノートパソコンで操作しているので。
2001/06/07(Thu)
日付を見ると、随分昔の話のようです。ここでは、第五部で解決しなかったネットワークの切断について追加情報を得たので補足として追記する事にします。
まず、おかしくなるのはWindows 2000に限らない事がわかりました。のちになんらかの理由でWindows 98を入れ直した際、上と同様の症状に見舞われたのです。
そしてその原因は、ドライバをインストールする際にフロッピーから選び出す情報ファイルが間違っている事にあったようです。
これはPlanexのドライバフロッピー(もしくはダウンロードしたアーカイブ)のファイル構成にのみ言える事だと思われます。
ドライバのインストールダイアログで参照してみるとわかるのですが、ルートフォルダにWin95, Win98, Win2000というフォルダが用意されており、そのいずれ(ルートフォルダ含む)を指定してもセットアップ情報ファイルが見つかります。私はWindows 2000用のドライバを入れようとして、該当するフォルダWin2000を選択しました。しかし、実はこれだとインストールには失敗するのです(実際に失敗しましたというダイアログが出ます)。
その過ちに気付いて、指示された再起動ののちにルートフォルダのファイルを指定して再インストールをするのが普通ですね。でもこの時点ですでに不安定確定なのです。
おわかりになるでしょうか。必ずルートフォルダを指定するのです。OS名のフォルダに騙されてはいけません!(やや大袈裟)
Windows 98を入れてこの症状にぶち当たった時、確認のためにさらに二度OSを入れ直しました。
上記手順で失敗すると、ルートにあるINFファイルで入れ直そうとした際に「新しいファイルがあります」のようなダイアログにお目見えします。通常このダイアログでは「はい」を選ぶように教え込まれている事でしょう。でもきっとこれも原因の一環です。「いいえ」を選ぶと直るのかもしれませんが、私はOSごと消してしまいました。
私は、もう二度と間違えるつもりはありません。そして、これを読んだあなたも……。
前の話「デジタイズ」へ 次の話「AthlonとWin2000」へ About Productionに戻る