About production

Last update 2001/05/06(Sun)

2001/02/15(Thu)

MXと、ビデオカードの寿命?(第一部)

 問題というのは結構コンスタントにやってくるものなのかもしれません。今回はビデオカードの異常です。
 その前に、その当日に私が取り組んでいた事を書いておきたいと思います。

 まず、友人Kubotoroがビデオカードを新しく購入したと聞きました。今の今までVoodoo Bansheeというレガシーチップで頑張っていた彼がですよ? そしたら当然ベンチマークを録りに行かなくてはならないでしょう。
 購入したものは、CHRONOSというメーカーのTORNADE 3D NVIDIA RIVA GEFORCE2 MXなんて長い名前の製品です。ここまで書かないと区別がつかないだろうから、きっとここまでが製品名なのでしょう(汗)。GeForce2 MXを積んでるからきっと速いだろう! なんて思っていたのですが……。

 詳しくは省きますが、Hardware T&Lを使用するベンチマークが軒並み遅い……。その機能を無効にして計測した方が良い結果を出してしまうほどです。
 そこで、付属CDに入っていたドライバを疑ってみます。ではという事でCHRONOSのページへ。URLがどこにも書いてなかったので、検索するのに手間取ってしまいました。chronos.comは違う会社。chronos.com.twが本当の目的地でした。

 しか〜し。3DMark 2000の結果は見事なまでに変わりません。Athlon 800MHz(私のマシンにつけた時の結果です)で測定値1937 3Dmarksから1939 3Dmarksへ。差は……たったの2。
 これは単なる計測誤差と言って良さそうです。むしろこれ以上の差だって出るんじゃないでしょうか。

 そこで、一つの思い付きを試してみる事にしました。「他社製のドライバを入れてしまおう」……。


2001/02/15(Thu)

MXと、ビデオカードの寿命?(第二部)

 私は以前、「他社製のドライバでも、搭載しているビデオチップが同じなら動く場合がある」と聞いた事があるんです。
 このボードもきっと、ドライバが作りこまれていないせいで遅いのではないか。では最も性能が良さそうなのはどこだろう? それはやっぱり、私の崇拝する天下のCanopusではなかろうか。
 そんな短絡的な考えから、CanopusのGeForce2 MXチップ搭載ボードSPECTRA F11のドライバをマシンに無理矢理インストールしてみたんです。
 が。

 ……まあ、世間はそんなに甘くなかったと申しましょうか。この浅はかな目論見はものの見事に失敗しました。Windowsは起動するものの、画面が真っ暗なんです。しかもただの黒ではなく一部にノイズが混じっています。
 そもそもビデオメモリの使い方が違うのかもしれません。このボードでは違う意味を持つアドレスを画面に表示しようとしてしまったのかと推測してみます。あまり根拠はありませんが(^^;。

 しかし、そうだとすると少々危険です。本来書き込まないようにしているアドレスに書き込んでしまうかもしれません。本来送らない信号をディスプレイに送ってしまうかもしれません。それでボードが故障してしまったら誰にも文句が言えないじゃないですか! ……というか私が文句言われますよね、これじゃ。

 仮にも他人のボードなわけだし、壊れるよりは遅くても動くだけましという事で実験はさっぱり中断。このTORNADE 3D...を外して元のSPECTRA 5400 PEに戻し、セーフモードで起動してSPECTRA F11のドライバを削除します。そして安心して再起動……、と思ったら! なんと画面がノイズだらけ!?


2001/02/15(Thu)

MXと、ビデオカードの寿命?(第三部)

 今まで元気に動いていたはずのSPECTRA 5400 PEが、突然思い立ったかのように挙動不審に……。

 正確に言うと、ここでノイズと表現したのは画面に入った横線です。大体ど真ん中を横切る感じなのですが、スタートメニューを開いたりウィンドウをいじったりすると、さらに増えたりごちゃごちゃとせわしなく動き回ったりします。

 ま、マズい。もしやイリーガルなドライバインストールのせいでこのボードまで壊してしまったのか!?

 とにもかくにも、いったんWindowsをセーフモードで再起動してドライバの状況を確認します。
 でもやっぱり消したものは消した……。それならば、と次にSPECTRA 5400 PEのドライバも消してみました。再起動してドライバファイルを入れ直させてみたらどうか。
 結果はやはり同じでした。そろそろ帰り支度をしていた友人Kubotoro氏も責任を感じてしまったらしく、帰りかねている様子。だんだん不安と焦りが私の気持ちを支配し始めます。

 確かにそろそろ新しいビデオカードを購入しようかとも思っていたところではあるのですが、今いきなり動かなくなるとは思ってもいませんでした。これでセカンドマシンのパーツがまたひとつ、と思っていたのに……。

 それにしても、改めて振り返れば1999年の9月頃に無理して高いボードを購入して以来ずっとそれ一枚ですごしてきたんですね。私の残したベンチマークの結果はこのボードでの計測ばかりですし。
 かなめの家に持っていってはベンチマークをし、Kubotoro氏の家に持っていっては動作確認をし、と何度も持ち歩いた事が悔やまれます。もっと労わってやれば……。

 夜も9時半を回ろうとしているので、Kubotoro氏はそこで帰宅する事に。私は彼にお願いして、Monster Fusionをしばらく貸してもらう事にしました。ビデオカードの余剰パーツはひとつもないんです。
 彼の家の前で少々話し込んで、ひとしきり残念がったあと私は家に戻りました。でも実はこの時、落胆している一方で私はひとつの可能性を感じていたんです。


2001/02/15(Thu)

MXと、ビデオカードの寿命?(第四部)

 可能性といえば、壊れたのはビデオカードではなくてM/BのAGPポートだったのではないかとの話もあったのですが、私はそれよりもドライバの構成ファイルが狂ったという仮定に望みを託しました。SPECTRA F11のドライバが部分的に上書きしてしまったような気がしたんです。
 それを確認するには。ドライバを入れ直すには、この場合OSごと入れ直すのがWindows界の掟です。5400F11それぞれのセットアップ情報ファイルを見ればドライバの構成ファイルがわかるのかもしれませんが、あいにくそれを解析する知識は持ち合わせていません。それに、もうどこに影響を及ぼしているかわかりません(まるでウィルスのような扱い(^^;)。

 まともではない画面のまま、いつものように必要なファイルをバックアップします。ほとんどショートカットでWindowsを動かしているので、例え画面が真っ暗でもなんとかなるのはちょっとした強みです。
 バックアップも無事完了し、後はもう考えても仕方がないので早速FDISKしてFormatをかけ、クリーンセットアップを開始します。DOSの画面やセットアップ画面はまったく乱れない様子。セットアップは完了し、いざビデオカードのドライバをインストール! ……ちゃんと映ってる!

 「やっぱりな」と強がってみせると同時に、安堵のため息もついてしまったこの瞬間。いや〜、よかったぁ。


2001/02/15(Thu)

MXと、ビデオカードの寿命?(補足)

 その後、友人かなめ氏にeVGAというメーカーのe-GeForce2 MXを借りて私のマシンに入れた時、今回と同様の現象が確認されました。ベンチマーク結果が芳しくないのもほとんど一緒です。
 一度復活を果たした経験からこの画面もだいぶ冷静に拝めたのですが、もしやと思ってキャプチャーしてみたところしっかりファイルに保存する事ができました。下の画像を見てください。サイズを40%に減らしたので少々見難いかもしれませんが。

Corrapted!

 そしてこれ、Windowsの再インストールをしなくても解決する事がわかりました。方法は簡単。元のビデオカードのドライバを「上書き」インストールする事です。
 今回は、ドライバリストから削除し、再起動して自動復活させました。しかしそうではなく、おかしな画面のまま同じドライバをまたインストールすればいいんです。自動復活では狂ったものもそのまま元に戻してしまいますが、上書きならばその心配がなくなります。落ち着けば活路は見出せる、という教訓でしょうか。この事が、見ている方の参考になれば幸いです。


2003/09/04(Thu) Update!

MXと、ビデオカードの寿命?(追記)

 困った時にここを訪れた方へ。Canopus関係のビデオカードドライバで困った時に便利なものを発見しましたので追記します。その名はSPENVCLEAN (SPClean.exe)! SPECTRAシリーズでインストールした、もしくは他のビデオカードでインストールされたドライバファイル及び変更されたレジストリ関係をクリーンにしてくれるというものです。
 2003/6/17にリリースされたバージョン10417ではWindows 9x/Me/2000/XPにしっかり対応しており、単独でダウンロードする事もできるし"Green.w Driver 5.30/5.20"(CanopusのSPECTRAシリーズ用ドライバ)にも同梱されています。

 のちにまた別のコラムとして掲載しますが、私はこれでELSAのドライバを削除して綺麗な環境を作る事ができました。Canopus製なので当然「専用」ですが、もしかしたら他の環境でも役に立つかもしれません。「ダメ元」で挑む場合やOSの再インストールを覚悟している時など、使ってみてはいかがでしょうか。

(関連リンク)
--> "Canopus Co., LTD."
--> "SPECTRA シリーズ用 ユーティリティプログラム"


前の話「AthlonとWin2000」へ   次の話「ビデオキャプチャー四苦八苦」へ   About Productionに戻る